【不妊治療体験ブログ】不妊治療の精液検査とは?(写真付)
不妊治療を始めると、最初に行うのが検査。
女性も様々な検査がありますが、男性も必ずといっていいほど精液検査を受けます。
初めて検査を受ける方にとってはハードルが高い検査であることも事実。
そこで、アラフォー夫婦が不妊治療で経験した精液検査とそこから分かったことについてご紹介します。
目次
検査前の準備
女性の検査と違って、精液検査はどんな時期でも行うことができます。
ただし、準備のために2日~5日の禁欲期間が必要になりますので、必ずこの指示を守って採取する必要がありました。
ちなみに、私たちアラフォー夫婦が不妊治療を行ったのは、コロナ禍真っ只中。
そのため病院での採取ではなく、自宅での採取が指示されました。
自宅で採って病院に持っていく必要があるので、減菌された軟膏が入るような直径5センチくらいの容器を渡されました。
これを採取してから3時間以内に病院に持っていく必要があります。
こうなると、たいてい夫がトイレにこもるのは朝。
そして昼前に妻が病院に持っていくという流れ作業でこなしていくこととなりました。
(番外編)採精室の様子
日本で不妊治療をしたときは、採精室を使うことができませんでしたが、その後アメリカで不妊治療をしたときは、採精室を使うことができましたので参考までに、その様子をご紹介します。
こんな感じでソファーとテレビだけが置かれたシンプルな部屋でした。
もちろん、テレビの中身とテレビ台の中にはそっち系のものが入っています。
採取後の注意事項
さて、無事に自宅で精液を採取できると、ここからは時間との闘いです。
まず容器の蓋と側面に夫婦二人の名前と受診番号を書く必要がありました。
今考えてみると、採取前に書いておいたほうが楽ですね。
そして、漏れないように蓋をきっちり閉めて、それから銀紙でぐるぐると遮光して病院に持っていく必要がありました。
過去にドラマで「温めて持ってきてください。」
なんていう表現を目にしましたが、私の通ったクリニックでは温めることは禁止。
もちろん冷たくすることも禁止。
そのままの状態をアルミホイルで包んで万が一のために、タオルで軽く包んで妻が病院に持っていきました。
病院での流れ
私たちが通っていたクリニックでは、精液検査を受け入れる時間帯というのが決まっていて、その時間帯に持っていけば予約は不要というものでした。
そのため、受付で「夫の精液検査を持ってきました」と小声で受付の人に伝えると
「ここに出してください」という感じで大変事務的に終了していきました。
お支払いは借りてきた夫の健康保険証を出して支払い。
結果は妻の通院時、後日に説明を受けるということで、提出というタスクは一通り終了しました。
ちなみに、私の通っていたクリニックはコロナ禍ということもあり、付き添いを禁止していました。
そのため、通院してくるのは皆さん女性ばかり。
そこに当然男性がいると結構目立つのですが、ある日待合室で待っていると、若い男性が一人で颯爽と受付に入ってきて、おそらく精液検査と思われるものを提出して帰っていきました。
ご夫婦の都合でそうなったのでしょうが、なかなか勇敢だなぁなんて、感心していたアラフォーでした。
結果通知
後日の妻の通院時に、夫の精液検査の結果の説明を受けました。
夫本人ではなく、妻が検査結果を受け取るためには、事前に承諾書のような書類を病院に提出しておく必要がありました。
そうでないと、個人情報ダダ洩れということになってしまいます。
検査項目は以下の4点でした。
- 液量
- 数
- 運動率
- 正常形態率
病院からもらった説明によると、上記項目の基準値は以下とのこと。
- 液量:1.5ml
- 数:15×10⁶/ml
- 運動率:40%
- 正常形態率:4%
これに対してアラフォー夫の結果は
- 液量:2.6ml
- 数:61×10⁶/ml
- 運動率:62%
- 正常形態率:2%
正常形態率が基準を下回る結果となりましたが、医師から説明を受けた内容としては、数が大事なので数が基準を上回っているのでOKとのこと。
特段の治療計画はなく、検査は終了しました。
検査を終えてみての感想
アラフォー夫は安心したとのことで、ほっとしていました。
一方でアラフォー嫁は不妊の原因は完全に妻側(卵管の閉塞)にあることが分かり、ただただ落ち込んだわけです。
そして、これじゃいかんと不妊治療へとのめりこんでいってしまいました。
ちなみに、この後アメリカでも不妊治療をしましたが、アメリカの場合は、男性の精子の状態に合わせて否応なしにサプリの摂取指示が出ます。
不妊治療では卵子の老化ばかりに目が向けられがちですが、精子も加齢とともに老化しています。
これに対して日本では、基準値を上回っていれば、何もしないのが一般的です。
しかし、アメリカの不妊治療では、加齢は誰にでも訪れているものだからと、基準値を上回っていてもさらなる精子の質の向上に対して、積極的にサプリで対応していく姿勢は素晴らしいなと思いました。
私たちはこれが功を奏して卵管閉塞でも自然妊娠が出来たと思っているので、アメリカ式の治療には大賛成です(詳しくは以下の記事をご覧ください)。
精液検査にかかった費用
私たちの通った不妊治療クリニックの精液検査にかかった費用は、確か健康保険が適用になって1,580円でした。
しかしホームページには3500円程度と書かれていたので、もしかしたら他の治療と一緒になっていたのかもしれません。
しかし、それでも5千円以内で検査を受けることができました。
【注意事項】精液検査のメンタル面への配慮
私たち夫婦は、普段からくだらない下ネタを言い合っては笑いあうという仲だったので、それほど苦痛にならずに検査を終了することができました。
しかし、男性によってはこの検査を本当に嫌がる人がいます。
私自身のはなしとなってしまいますが、前夫にこの検査をお願いしたところ、すごい拒絶に合いました。
一人で検査をするのが嫌なのかと思い、カップル検査をしようと言ったところ、それはもっと嫌とのこと。
しかし不妊に悩んでいたので、検査が必要なことを伝えたところ、半年くらいかけて、自分で探してきた精液検査だけを受けられるクリニックで精液検査を受けてきました。
しかし、結果にとてもナーバスで、結果が出る前に
「もし、この検査の結果が悪かったら離婚しようと思っている」
と告げられてしまいました。
それでも私は結果が悪いなんてことはないだろうと明るくとらえていましたが、前夫が帰宅後に暗い顔をしながら
「ほとんどいないんだって」
と無精子症であることを涙ながらに、打ちのめされたように伝えてきたことを覚えています。
プライドの高かった彼には、自分が不妊であるという現実を受け入れるのがとてもつらかったのだと思います。
これだけが原因ではありませんが、結果的に私たちは離婚してしまいました。
何が言いたいかというと、精液検査は男性のプライドを傷つける可能性のあるとてもナーバスなものだということです。
私自身も後に、不妊治療の検査をして不妊の原因が自分の過去の性病の感染歴にあったと知った時は、打ちのめされて、不全感に悩んだものでした。
「不妊」という事実は、突きつけられるとプライドを壊し、不全感に苛まれることもあります。
しかし先送りしていても、治療は進みません。
あまり神経質にならずに夫婦で協力して進めていける関係が何より重要だと感じました。
精液検査のまとめ
以上が、アラフォー夫婦が経験した精液検査の流れでした。
まとめてみると以下のようになります。
- 検査前に2-5日の禁欲期間が必要
- 採取は自宅でできる
- 自宅採取後は、3時間以内に妻か夫が病院に持っていく
- 検査結果は後日、妻が聞くこともできる
- 基準値を上回っていれば積極的な治療はなし
- 費用は5,000円以下
- メンタル面への配慮は必須
私たちの体験談がこれから不妊治療を始める方の参考になれば幸いです。
ちなみに最近は、病院に通わずとも精液検査ができるキットがあるとか。
下にリンクを貼っておきますが、お値段も1000円ちょっととお手軽。
精液検査へのハードルが高い方はまずはこれから挑戦してみても良いかもしれません。