【不妊治療ブログ】高齢での不妊治療の不都合4つ

38歳のときに不妊治療を始め、39歳で自然妊娠、出産は40歳。
不妊治療を終えてみて、高齢で不妊治療をすることの不都合4つを紹介します。
目次
高齢での不妊治療での不都合1 卵子の老化には勝てない
「羊水腐る」発言が物議を醸してから、数十年。
もはや、卵子の老化は当たり前のものとして認識されるようになりました。
卵子の素は、母親の胎内にいるときにつくられるもの。
実年齢プラスアルファで年を取っているのです。
どんなに表面上のアンチエイジングをしても、これだけは変えられない事実。
受け入れるほかありません。
卵子が老化すると、どうなるか。
それは、卵子の染色体異常という形で表れます。
これは、不妊治療をしていても同じこと。
たとえ、タイミング法でどんなにタイミングを合わせても卵子が染色体異常ならば妊娠しない。
体外受精のために、卵巣を刺激してたくさんの卵子が取れたとしても
すべてが染色体異常ということもありえます。
私が不妊治療をしたときは、この染色体異常には目を背けがちで
例えば「39歳で13個採卵できたならいいほうだね」と医師から評価されました。
しかし、後に分かったのはこの13個のうち本当に使える卵子は何個か分からないということ。
どんなに外見上きれいにみえて、胚盤胞になったとしても、
染色体異常がある卵子からは、どうやっても子供は生まれないのです。
染色体異常の割合は、年齢を重ねれば重ねるほど高くなるのは既知の事実。
その割合は、38歳で50%、39歳で57%、40歳で63%です。
不妊治療を行う医師の中には、妊娠はするかしないかの半々だと言う人もいますが、
それは選択肢が2つなだけ。
確率がまったく違うことを認識しなければ、期待だけさせられて、
大量のお金と時間をつぎ込んだだけという結果になりかねないのです。
高齢での不妊治療での不都合2 遺伝子検査を受けることができない
仮に体外受精をするために、卵巣刺激をして10個採卵ができたとします。
その中の6個が胚盤胞まで育ったとすると、一回の採卵で6回分の移植ができる受精卵ができたことになります。
しかし、これは本当でしょうか?
繰り返しになりますが、胚盤胞にまで育った卵子の中にも染色体異常の卵子は紛れ込んでいます。
染色体異常がある卵子からは子供が生まれないのです。
それなのに、6個胚盤胞ができると、日本の不妊治療では
6周期にわたって、ホルモン剤を飲んで、移植を6回試みることができます。
胚盤胞に染色体異常があるかどうかも知ることができないままです。
私の経験では1回の移植にかかるお金は約15万円。
15万円×6回=90万円
のお金を期待してつぎ込んでしまうというわけです。
アメリカで不妊治療をした際は、胚盤胞の染色体スクリーニングを行うことができました。
これには30万円ほどのお金がかかりますが、
はじめから子供が生まれない胚盤胞を移植するよりも、ずっと良いと思いませんか。
日本では、なぜこの検査を受けることができないのか。
それは、命の選別につながるとかの理由があり、特別な遺伝的な理由がない限りには
この検査を受けることができないからです。
進んだ医療の中では、十分に受けることができるものなのに、
出し惜しみされて、何周期にもわたってホルモン補充をしていくこと
精神的にも身体的にも良くないことではないでしょうか。
結果的には、不妊クリニックだけがぼろ儲けということになっていることが気になります。
高齢での不妊治療の不都合3 胚盤胞の評価は見た目だけ
しかし、私が不妊治療をしていると知人に伝えたとき
不妊の私を慰めるためもあるのか、こんなことを言われました。
「高齢ならば、不妊治療のほうがいいんでしょ」
「だって受精卵の形とか、生まれる前に評価してくれるとか聞くもん」
「事前に出来の良い子を選別できるんだからいいよね」
確かに、体外受精の結果でできた胚盤胞は培養士という専門職の人によってグレードがつけられます。
それは成長の度合いと、胎児になる細胞の見た目の均質さ、胎盤になる細胞の見た目の均質さからです。
そうなんと、ここまで高度医療をしているのに、評価しているのは人の目だけなのです。
確かに見た目が良い胚盤胞からは子供が生まれる割合が高いとのこと。
しかし、見た目が悪くても健康な子供生まれてくる可能性もあるとのこと。
だから、グレードをつけて子供が生まれる可能性の高いものから移植していくというわけなのです。
ちなみに私は2回の胚盤胞移植で4AAというグレードの見た目の良い胚盤胞を移植しましたが
2回とも妊娠に至りませんでした。
当時は38歳で染色体異常がある卵子が50%の確率であっても、2回連続失敗です。
果たして見た目はどれほどあてになるのでしょうか。
遺伝子検査をさせてくれない現状の中では、医師にも患者にも分かりません。
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高齢での不妊治療の不都合4 胎児が障害を持つ可能性がある
どうにか染色体異常と思える胚盤胞をくぐりぬけて妊娠に至ったとしても
まだ、拭いきれない不都合があります。
それは、胎児が障害を持っ可能性があるということ。
高齢で不妊治療を始める方のすべてが、この可能性を認識して不妊治療を始められているでしょうか。
結局すべては卵子の老化(染色体異常)によるものですが、
せっかく妊娠できたとしても、
胎児の遺伝子がトリソミーであったりすることもあります。
ほとんどの染色体異常の胚盤胞からは、子供が生まれてきませんが
まれにダウン症や18トリソミーなどの障害をもった子供が生まれてくる可能性もあります。
この割合は、卵子が老化して染色体異常を持つ割合と比例して高くなっていきます。
高齢出産ともなると、子供がお腹にいる間に様々な遺伝子スクリーニングを受けることができるので
お腹の中にいる間に、障害が発覚するかもしれません。
こうしたときに産むか産まないかの選択を突きつけられるのは家族なのです。
【不妊治療ブログ】高齢での不妊治療の不都合4つ
以上が私の体験をまじえて、高齢での不妊治療が不都合だと思う点を4点あげました。
まとめると以下の4つになります。
- 年齢に応じた卵子の老化を止めることはできない
- (それなのに)遺伝子検査を受けることができない
- (代替策は)胚盤胞の見た目の評価だけ
- 妊娠できたとしても胎児が障害を持つ可能性がある
私は、アラフォーという年齢に焦って不妊治療をしてしまいましたが、
果たして本当に不妊治療が必要だったのか、分かりません。
結果として自然妊娠できたからというのもあるかもしれませんが、
妊娠してみて、そこまでなぜ無理矢理に子供を作ろうとしていたのか
十分に今の現実も幸せであるのに、何をそこまで家族の形にこだわったのか
冷静になると分からなくなることがあります。
不妊治療をすると、ホルモンを薬で乱高下させられるので
メンタルもボロボロになるし、
体外受精の採卵の時は卵巣刺激のせいでお腹はパンパンになるし
その後も、人生経験したことのない不正出血をするなんていう不調もあり
結果も出なかったので、何のための時間と苦労とお金だったんだろうと思います。
あまりこうしたマイナス面は表に出ることがないので、
これから妊活・不妊治療を始める方の参考になればとご紹介させていただきました。
