【不妊治療体験ブログ】アメリカで不妊治療前に確認したこと6つ

2022年4月8日

駐在などの理由でアメリカに来てしまったけど、不妊治療をしたい。
そう思う方もいるかもしれません。

私たち、イチアラフォー夫婦もそのうちの一人でした。
しかし、アメリカの医療は複雑!
保険は使えるの?いったいいくらかかるの?
と不安だらけでした。

そこでアメリカで不妊治療ができるのか検討中の方へ少しでも参考になるように、私たちがアメリカで不妊治療をする前に確認したこと6つをご紹介していきます。

自身の加入している医療保険を確認する

アメリカで不妊治療をしようと考えたときに、最初にしたことは、自分の加入している医療保険の確認でした。
日本では内科に行くときも、歯医者に行くときも、眼医者に行くときも、薬局に行くときも、一つの健康保険証で使えます。

しかし、アメリカでは

  • 一般医療
  • 眼科
  • 歯科

の保険が分かれていることが一般的なようです。

不妊治療では、一般医療用の医療保険が使えることがあります
まずはどんな保険に入っているか(名称)を確認しておきましょう。

ちなみに、私はAnthem Blue Crossというところに入っていました。
アメリカの医療保険は、駐在員はみんな大手の同じようなところに入っているのかと思いきや、現地で知り合った方に聞いても会社が違えば医療保険は様々でした。

私の場合は、保険会社から加入の証として、健康保険証のようなカードが発行されました。
しかし、そこに表示されている名前は自分のものではなく、世帯主のもの。
家族の分も申し込みはされていたのですが、カードは世帯主名義となるようでした。

まれに会社の人事が家族分の医療保険の申し込みを忘れていたりすることもあります。
自分が加入しているか確証がない方は、会社に確認してみることをお勧めします。

自分が住んでいる州が不妊治療が義務化されている州か確認する

次にしたことは、自分が不妊治療が義務化されている州に住んでいるか確認しました。
なぜならば不妊治療が義務化されている州ならば、不妊治療が医療保険のカバーに入っていることが多いからです。

私はカルフォルニア州に住んでおり、不妊治療がカバーされている州でした。
しかしトリッキーなことに不妊症の診断と、不妊症の治療は保険の対象だけれども人工受精や体外受精は対象ではないということになっていました。

保険の適用範囲は、よく考えてみると日本の不妊治療も人工授精、体外受精は保険適用でないので、それと同じなのですが、英語で言われるとやや混乱します。

州によっては人工受精や体外受精が保険適用になる州もあるようです。
また州の法律で決まっていても、本社の場所などによって州の法律と異なる扱いをしていることもあるとか。
一方で、対象外の州でも医療保険のオプションで不妊治療が対象になっていることもあるとか。

とにかく、医療保険によって百人百様なので、ひとまずは自分の住んでいる州の状況を確認してみましょう。

例:「州の名前 不妊治療 義務化」
例:「California infertility mandate」

こんな感じで調べてみると州が義務化しているかどうかの情報が出てきますので、ざっと確認してみることをお勧めします。
最終的には保険会社に聞いてみなくてはいけませんので、ここはざっとで大丈夫かと思います。

ちなみに私がつたない英語で2022年2月現在調べたところ、不妊治療を医療保険のカバーに含めることが法律で決まっている州は19州でした。
このうち、IVF(体外受精)まで含まれているのは11州でした(未調査の部分はーになっています)

義務(○)または要請(△)IVF(体外受精)が対象か
Arkansas
California×
Colorado
Connecticut
Delaware
Hawaii
Illinois
Louisiana
Maryland
Massachusetts
Montana×
New Hampshire
New Jersey
New York×
Ohio
Rhode Island
Texas
Utah
West Virginia×

医療保険のカバレッジを確認する

次に加入している医療保険で、不妊治療がカバーされているかを確認しましょう。
一番てっとり早い方法は、加入している医療保険の問い合わせ窓口に聞くことです。

駐在の方であれば、通訳サービスがついている問い合わせダイヤルがある保険を使っている方が多いでしょう。
ここに電話して医療保険のカバレッジを確認するのが早いかと思います。

電話の入口には日本語ダイヤルがない場合もしばしばあります。
こんな時は
Sorry, I’m Japanese. So, I’m not good at speaking English. I would like to talk with Japanese interpreter.
(すいません、私は日本人です。英語を話すのが得意じゃないので、日本人の通訳と話したいです)
といったようなことを伝えて通訳につないでもらいましょう。

英語が全然ダメという方は
ジャパニーズインタープレター プリーズ
と言い続ければ日本語通訳にたどり着くかと思います。

さて問い合わせ担当者までつないでもらったら以下のことを確認しましょう。

  • 不妊治療は医療保険の範囲内ですか?
  • IUI(人工受精)やIVF(体外受精)は対象になりますか?
  • 医療保険の適用の上限額はありますか?
  • co-paymentやco-insuranceはいくらですか?

私の場合は、

  • 不妊治療は医療保険の範囲内ですか?→保険の範囲内
  • IUI(人工受精)やIVF(体外受精)は対象になりますか?→なりません
  • 医療保険の適用の上限額はありますか?→生涯で5000ドルまで、それ以上は100パーセント自己負担
  • co paymentやco insuranceはいくらですか?→primary care doctor の場合は$25、specialist(専門医)の場合は$45(いずれもin- network-provider の場合)

といった状況でした。

私は自動音声からチャットにつないでもらって、日本語通訳を入れずにテキストでやり取りしました。
今の時代は、Google翻訳などもありますので、テキストであれば、多少英語が話せる方は通訳なしでもなんとかなったりします。
またテキストでやり取りしたほうが証拠にも残って良いですね。

ちなみに、念のために2回聞いてみたところ、アメリカでは本当によくあることですが回答が異なっていました
1回目は、不妊治療は妊症の診断と、不妊症の治療は保険の対象だけれども、人工受精や体外受精は対象ではない。上限額は生涯で5000ドルまで(これが正しい情報)。

2回目は、不妊治療はあなたの保険では対象ではない。
ということでした。

2回目は、1回目にこう聞いてたんだけど?と言ったところ、
よく確認してみる
とのことで確認したら1回目の回答と同じでした。

本当にこういうことがよくあります。
なので2回くらい確認しておくのがお勧めです。

ディスカウントプログラムがないかを確認する

医療保険のカバレッジを確認したところ、私が入っている保険では体外受精がカバーされないことが分かりました。
私は体外受精を選択したかったので、これは困った状況になりました。

アメリカでの体外受精には、保険が使えない場合2~3万ドル(2~300百万円)かかると聞きます。
日本ではせいぜい1万ドルだったのに、アメリカの医療保険は高額です。

これを保険なしでやるのはさすがに無理…
と断念しかかりましたが、保険のカバレッジをよく確認していると、ディスカウントプログラムなるものがあることが判明。

ディスカウントプログラムの名称はWinfertilityと言って、これに登録するとどうやら体外受精を市価よりも安い?パッケージ価格で受けられるということでした。

アメリカの体外受精は病院代と薬代が別々でとにかく高額になるとかで、薬代だけで1万ドルなんてこともざらだとか。

それをこのWinfertilityというサービスを使えば、市価よりも~40%くらい割り引いたパッケージ価格で薬代も込みで体外受精が受けられるとのこと。

英語なのでおぼろにしか理解できませんでしたが、とりあえずこのサービスが保険に付帯していたので登録してみることにしました。

しかし、登録もいちいちめんどくさくて、電話でのコンサルテーションが必要でした。
おぼろな英語で答えていたところ、諦めてくれたのか、アプリケーションフォームを送るということになり、ひとまず登録は完了。

次は、Winfertilityというサービスが指定した近くの不妊クリニックにアポイントを取ってほしいという連絡が来ました。
ここでアポイントを取るとパッケージ価格の見積もりが提供されて、体外受精をするかしないかを選択できるとのことでした。

そのサービスのホームページを見ると、日本人の先生がいる病院も対象に入っていたので、そっちに行きたいという連絡を何度かメールで連絡するものの音沙汰なし。

電話かメールで連絡して、というわりには、メールは全然見ていないということがあるあるなアメリカ文化。
後日、電話でつながった際に、日本人医師のいるCCRMという病院に行きたいんだけど、と伝えたところ、

その先生は対象外
その病院で対象となる先生はオレンジカウンティと言って日本で言うなれば東京と大阪くらい離れている場所の先生のみ。
はぁ(人の話ちゃんと聞いてよね。)

という感じで電話が終わりました。
ほんと、英語できなくてすみませんという感じですが、英語が話せないので日本人医師という選択肢は外せず、このディスカウントサービスを使うことは断念しました。

結局は使えなかったサービスですが、ややこしい体外受精について薬代も含めてパッケージ価格でディスカウントして提供してくれるサービスはなかなか良いんでは?と思いました。
こういうビジネスモデルが日本にもあったら良かったのになと思いました。

他に加入できる医療保険やオプションがないかを確認する

ディスカウントプログラムが使えなかったので、他にも、高額な体外受精の医療費を何とかする方法はないかと思考錯誤してみました。

具体的にしたことは2つ

  • 今入っている保険にオプションを追加することで体外受精が対象にならないか
  • 個人で体外受精が対象になっている医療保険に入れないか

でした。

今入っている保険にオプションを追加するサービスのことは英語でriderというらしいです。
この単語にたどりつくまでけっこうな時間がかかりました。
しかし、私が入っていたAnthem Blue Crossではオプション(rider)はないことが発覚。

次に個人で入れる保険はないかと調べてみましたが、体外受精までがカバーに入っている保険はありませんでした。
つたない英語で調べていたところ、カリフォルニアには個人で入れて体外受精をカバーしている保険はないというようなことが書かれていました。
つたないので正しいかどうかは怪しいものですが。

そうなると、ロスアンゼルスも含めて、カルフォルニア州に住んでいて、体外受精が医療保険のカバーに入っていない人は2~3万ドルも払っているということなんでしょか。

こういうことを日本語で調べるのはお茶の子さいさいなんですが、英語で調べるのは本当に骨が折れます。
英語で検索して、ページの内容をコピペしてGoogle翻訳に突っ込んで大枠を理解してということを繰り返しました。

Google翻訳には本当に感謝。

代替治療を考える

結局rider もなく、個人で入れる保険もなく、ディスカウントプログラムがあるといえども、保険が利かないのは同じ。

きっと高額になるだろう。
アメリカのことだから、後から別な費用請求されたりするんだろう。

と途方に暮れていました。

日本にいたら不妊治療を続けられたのに・・・
さすがに成功するか分からない治療に異国の地で2~3百万円払えるだろうか。
日本だったら3分の1くらいの費用で受けられるものに、その価値があるだろうか。

結果、私たちは、この状況ならばアメリカでの体外受精はやめようということになりました。

その代わり、

  • 薬局で買える漢方などで体質改善をしてみる。
  • 針治療を始めてみる

ということを考えました。
アメリカの薬局では処方箋なしで様々なサプリや薬が変えます。
オンラインで日本では買えないような漢方も買えます。
こうしたサプリや漢方を気休めですが取り入れてみました

それから針治療はアメリカでは州にもよりますが医療保険の対象になるとか。
ちなみに英語で針治療はacupunctureと言います。

これも、それぞれの方が入っている保険を確認してみる必要があります。
しかし、医療保険の適用になるならば、毎回の治療はco-payの$25くらいに治療費が$20くらいと手の届かない範囲ではありません。

アメリカで針治療に通っている日本人の方に聞いたところ、保険が効かなくても$100ほどだとか。
私には高額ですが、不妊治療の一つの選択肢にはなるかなと思いました。

まとめ

アメリカで不妊治療を始めようと思って、私たちは

  1. 自身の入っている医療保険を確認する
  2. 不妊治療が義務化されている州かを確認する
  3. 医療保険のカバレッジの確認をする
  4. ディスカウントプログラムの確認をする
  5. 他に加入できる医療保険やオプションがないかを確認する
  6. 代替治療を考える

と6つのフローを経て進んでいきました。

不妊治療が保険のカバレッジに入っている方は、もっとスムーズでしょう。
しかし、カバレッジに入っていないと、日本の2-3倍の高額の医療費となります。
治療のために一時的に帰国してもいいかもしれないと思えるほどです。

高額な治療費を払っても必ず成功するとも言えないのが、不妊治療です。
もし、医療保険のカバレッジに入っていない場合は、様々な選択肢を検討してみることをお勧めします。

その後

こうして諦めかかったアメリカでの体外受精ですが、突然光明が差してきました。
というのも、日本で体外受精が2022年度から保険適用になるといいます。

私たちは、夫が駐在という身分でアメリカに来ているので、日本で保険適用の治療を受けた場合は、会社が負担してくれるという特例がありました。
大変、大変ありがたいものです。

そして、また時期を同じくして、そのころ現地で知り合った日本人の方が私の行きたかった病院に通っていたとのことで、いろいろ教えてくれました。
慣れない土地では、人と人とのつながりに本当に感謝です。

アメリカと日本の不妊治療の違いは、体外受精で受精卵の遺伝子診断ができることです。
日本は倫理観とか?から受精卵の遺伝子診断はできませんが、アメリカでは自費治療ですが普通に行われています。

この検査のすごいところは、遺伝子的に問題がなければ、9割の確率で妊娠できるとのことだそうで。
妊婦の子の体験談では、確か6個とか?胚盤胞ができた中で、その検査をクリアしたのはたった一つだったとのことでした。
しかし、その1つを戻してしっかり妊娠したとのこと。

裏返して言うならば、日本では6個胚盤胞が出来たら、一つずつ戻しても1/6の確率でしか成功しないわけで。
日本で2回の胚盤胞移植に失敗した後だったので、アメリカでしかできないこの検査をして体外受精をしてみたいという気持ちにさせられました。

こうして、私たちは体外受精へと駒を進めていくこととなりました。

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