【不妊治療体験ブログ】不妊治療を始める前に考えておきたいこと5つ
まずは検査だけでも、と不妊クリニックへ行こうとしているそこのあなた、ちょっと待った!
できれば不妊治療を始める前に、夫婦で話し合って決めておきたいことを確認しておきましょう。
イチアラフォー夫婦が不妊治療をした中で、事前に考えておきたかったこと5つをご紹介します。
目次
1つめ:お金のこと
切っても切れないのが、不妊治療とお金の問題。
不妊治療は想定以上にお金のかかる治療です。
治療を始める前にお金のことをパートナーとしっかり話し合っておくことをお勧めします。
具体的には、いくらまでならば支出するのか、ということです。
例えば、「100万円を限度にしよう」とか
「200万円を限度にしよう」などと決めておくことをお勧めします。
私たちは日本での不妊治療で約100万円を想定して、治療を始めました。
2021年当時は、体外受精が健康保険の適用対象外だったため、計93万円もお金がかかってしまいました。
しかし、その結果として妊娠することもできず、ただのムダ金となってしまいました。
言葉は大変悪いですが、不妊治療はギャンブルと似ている感じがあります。
結果が出なくても、
次こそは!
次こそは!
と次に賭けてみたくなってしまうものです。
治療を始めてしまうと、「ここまでやってきたのに!」
とお金のことが後回しになってしまうこともあります。
また、特に女性側が大変な思いをして治療をしている中で、男性側からお金のことで治療を止めたいとしても、言いづらい状況になることは間違いありません。
不妊治療は、結果が出ないこともある治療です。
自分たちにとって、無理のない金額を設定して、治療を始めることをお勧めします。
2つめ:時間のこと
お金と同様に考えておきたいことは時間のこと。
何歳までに授からなかったら治療を止めるのか、治療を始める前に考えておくのが良いでしょう。
また、治療をステップアップしていって体外受精まで進んでいくと、年齢では区切りにくい場合もあるでしょう。
その場合は、採卵(体外受精で卵子を採ること)を何回までと決めておくとよいでしょう。
年齢を重ねるにつれて、妊娠しづらくなることは間違いありません。
しかし、可能性がゼロになるわけではないので、
次にこそ!
と次に賭けたくなってしまうものなのです。
また、不妊治療は女性側の時間を大きく割くものであるということも忘れずに!
不妊治療の第一ステップのタイミング法であっても、週に数回の通院が必要な場合もあります。
これが繰り返しになると、地味に負担になっていきます。
しかし、結果が出ないと、つい頑張りたくなってしまうものです。
そんな時でも冷静になって、区切りがつきやすくなりますので予め期限を決めておくことをお勧めします。
3つめ:仕事との両立のこと
不妊治療を始める方で、夫婦共働きの方も多いでしょう。
3つめに考えておきたいことは、仕事との両立のことです。
不妊治療を始めると、体の都合に合わせて仕事を休まなければいけないこともあります。
どうしても通院しなくてはいけない日と出張が重なってしまうこともあるかもしれません。
こうしたことが起きた場合、仕事とどうやって両立していくかということをあらかじめ考えておくことをお勧めします。
クリニック選びでは、つい評判の良いクリニックを選びたくなってしまうかもしれません。
しかし、人気のあるクリニックの待ち時間は長時間になりがちです。
仕事と折り合いがつかず、満足に治療ができないならば、元も子もありません。
仕事と両立をしたいならば、両立をしやすい通いやすい病院を選ぶことをお勧めします。
他にも仕事と両立する上で、職場に不妊治療をしていることを話すかどうかも考えておくとよいでしょう。
女性は、体の周期に合わせて急に通院が必要になることもあります。
こうした時でも、無理なく通院できるように、あらかじめ職場に伝えておくことも一つの手です。
私は、不妊治療当時フルタイムで仕事をしていました。
しかし、コロナ禍であったこともあり、在宅勤務が主で、フレックスタイム制も使える職場。
休みもある程度、調整して取ることができる職場だったので、会社には言わずに治療を始めました。
7か月間、タイミング法3回、体外受精(採卵1回、胚移植2回)の治療をして、会社を休んだのは4回。
しかし、これは通いやすい病院を選び、仕事後や仕事前に通院をした結果です。
このように、不妊治療をする上で、職場への説明は必須ではありませんが、必要に応じてあらかじめ伝えておくとよいでしょう。
4つめ:どこまでステップアップするか
不妊治療を始める前に考えておきたいことの4つめは、どこまで治療をするかということです。
具体的には、
・タイミング法まで
・人工授精まで
・体外受精も視野に入れる
ということを考えておくとよいでしょう。
治療を始める前に、不妊かどうかも分からないのに考えにくいかもしれません。
しかし、検査後にどちらかに不妊の原因が見つかった場合に、冷静になって判断をするのはとても難しいものです。
自分に不妊の原因があった場合、自身を責める気持ちから、想定よりもステップアップしたくなってしまうかもしれません。
逆に、相手に不妊の原因があった場合、本当は子どもをとても望んでいるのに、治療を諦めると言ってしまうかもしれません。
そのため、ぜひとも不妊かどうかを明らかにする検査を始める前に、不妊だった場合、どこまでステップアップしたいかということを話し合っておくことをお勧めします。
もしも不妊だったら、どこまでステップアップするか
という話し合いは、どれくらい子供を望んでいるのかということを互いに理解することにもつながります。
私たちも不妊治療を始める前に、もしも不妊だったら、という話し合いをしていました。
その時は、不妊の原因が私にあるとは知らなかったので、
私:体外受精は必要ない
夫:体外受精までは必要ないだろう
という結論でした。
「子どもがいたら、それは素晴らしいことだけど、そうでなくても二人で生きていっても幸せだよね。」
この意見で一致して、不妊治療に進んでいったのでした。
今思い返してみても、不妊の原因が明らかになる前に確認できておいて本当に良かったと思います。
不妊の原因が自分にあるということが分かった上で、夫が体外受精は必要ないと言っても、
「本当にそう思っているんだろうか」
「本当は体外受精してほしいんじゃないか」
なんて穿った見方をしてしまっていたかもしれません。
疑心暗鬼にならずに不妊治療を進めるためにも、予めどこまでステップアップしたいかを確認しておきましょう。
ちなみに、私たちは結果として不妊の原因が明らかになり、体外受精ならば子供を授かれるかもしれないとなると、体外受精を選択していました。
このように、状況により人の判断は変わっていくものです。
しかし、根本にある考えは変わりません。
「子どもがいたら、それは素晴らしいことだけど、そうでなくても二人で生きていっても幸せだよね。」
この考えで、治療に進んでいけたことで、とても心が楽でした。
また、倫理観の面でも、体外受精に対してハードルが高い方もいるでしょう。
神の領域なんて倦厭する方もいると聞きます。
私たちは、この点にはまったくハードルを感じていませんでしたが、こうした点もあらかじめパートナーと話し合っておくとよいでしょう。
5つめ:女性のケア
最後に、考えておきたいことは、女性(妻)のケアをどうやってするかということです。
不妊治療は、どうしても女性に負担の大きな治療になります。
不妊治療に駒を進めていく中で、どうやって女性のケアをするのか、してほしいのか、ということを忌憚なく話し合っておくことをお勧めします。
不妊治療は、身体的にも辛い治療もたくさんあります。
しかし、一番辛いのは精神面です。
いやいや、私はメンタル強いほうだから大丈夫!と思う方もいるかもしれません。
しかし、不妊治療ではホルモンを調整するための注射や薬を使います。
そうすると、精神面がぐらぐら揺さぶられて、いつもは大丈夫な人でも、常にイライラしてしまうなんてこともあります。
また、不妊治療を始めると、ストレス発散のお酒なども制限されることもあります。
さらに、仕事との両立の負担も大きい。
せっかく治療をしたのに、生理が来てがっくり。
このように精神的に辛いときに、どうしたいのか、どうしてほしいのか、あらかじめ冷静な時に話し合っておくとよいでそしょう。
例えば、
・ただ話を聞いてほしい
・放っておいてほしい
・おいしいものを食べに行ってストレス発散したい
・友達とランチに行きたい
・実家に帰って姉妹に話を聞いてもらいたい
など、様々なストレス発散方法があるでしょう。
こうしたことを、不妊治療を始める前に共有しておくことをお勧めします。
男性も、女性が落ち込んでいるとどうしていいか分からなくなってしまうこともあるでしょう。
大切な妻が悲しんでいるのを見て、無力感に打ちひしがれてしまうこともあるかもしれません。
そうなると、ケアどころではなくなってしまいます。
しかし、やはり不妊治療は、夫婦でする治療であるのに、負担が大きいのは妻のほうです。
治療を始めてごちゃごちゃする前に、辛い時にどうするのか、どうやって乗り越えていくのかということを話し合っておくことをお勧めします。
まとめ
以上が不妊治療を始める前に考えておきたいこと5つとなります。
まとめてみると
- お金のこと
- 時間のこと
- 仕事との両立のこと
- どこまでステップアップするか
- 女性のケアをどうするか
の5つです。
既に不妊治療を始めてしまった方も、改めて考えてみても良い項目かと思います。
イチアラフォー夫婦が不妊治療をする上で学んだ経験が少しでも参考になれば幸いです。