【不妊治療体験ブログ】アメリカの不妊治療クリニック選びで確認しておきたいこと6つ

2022年4月8日

アメリカに来て、不妊治療をすることを覚悟したけれど、どこの病院に通ったらいいか分からない。
そう思う方も多いでしょう。
そこでイチアラフォー夫婦が経験した病院選びについてご紹介していきます。

日本人医師がいることは重要ではない?!

駐在などで来られた方は日本人医師を希望することが多いでしょう。
私も多分にもれず、そのうちの一人でした。

普通の英語だって分からないのに、専門用語も入った英語なんて理解できるわけない。
そう思って、
日本人医師がいれば不妊治療をしよう。
いなければ不妊治療はやめよう。
そう思っていました。

しかし、実際に治療を始めてみると、日本人医師がいることはそれほど、重要ではありませんでした。
なぜなら、その理由の一つに医師と接する機会は非常に少ないことがあげられます。

私の場合は、最初のコンサルテーションと、治療方針を決めるコンサルテーションは主治医になってくれた日本人の先生でした。
しかし、それ以外は別の医師になることもありました。

いやいや、そのコンサルテーションが英語だときついんだって。
と思うかもしれませんが、大きな病院には、なんと医療通訳が付いています。

その場で通訳してくれる場合もありますし、電話で通訳してくれる場合もあります。
通訳を介すので多少は時間がかかりますが、自分のつたない英語で話して誤った理解をするよりもずっと良い選択肢でした。
しかも、費用は無料でした(請求書には記入がなかった)。

不妊治療は町医者のようなプライマリードクターよりも、選択肢が狭まります。
お住まいの地域によっては日本人医師がいない場合もあるでしょう。
近隣に行ってみたい病院があったら、医療通訳があるかどうかを確認してみることをお勧めします。

医療通訳があるかどうかは、ホームページに書いていないこともあります。
かといって、米国あるあるなのですが、ホームページなどから問い合わせメールをしても連絡がないことが、本当に多いです。
ここは鋼のメンタルで、つたない英語で構いませんので、電話しちゃいましょう。
は?
みたいな扱いを受けることは何度もありますが、慣れます。

頑張りましょう。
アメリカは移民の国。
家庭で英語をしゃべらない家庭も多いと聞きます。
堂々としていればいいんです。

それに、不妊治療は若い時にするほど成功率が高いと言います。 思い立ったが吉日です。

看護師とのやり取りは英語

アメリカは日本では考えられないほど、縦割り分業です。
医師は医師の仕事しかしませんので、薬の説明などは看護師から受けることが多いでしょう。

個人的には、医師は高い給料をもらっているのだから、医師にしかできない仕事をするべきだと思うので、この分業体制には大賛成です。
日本ももっと分業が進んだらいいのにと思うほどです。
しかし、この分業によって、英語が話せない身にとってみるとちょっと困ったことが起こります。

それは、看護師とのやり取りは英語になってしまうということです。
日本人医師がいるクリニックでも、看護師まで日本人または日本語が話せる方がいることはまれでしょう。
したがって、英語のやり取りが発生してしまうというわけです。

私は最初、看護師からの投薬と検査の指示の電話をもらった際に、本当に何を言っているか分かりませんでした。
「あーっ・・・」
となってたところ
「私の言っていること分かる?」
と看護師から聞かれ、
「全部は理解できない・・・」
と伝えたところ、
「OK!通訳がいるから、すぐに折り返して電話するからちょっと待って。」
と言われ、10分後くらいに通訳から電話がかかってきて無事三者通話をすることができました。

ほっ。
私は、日常会話くらいはいける?
と勝手に思っていましたが、本当に何を言っているか分かりませんでした。

そういえば、子宮とか、子宮頸部とか、子宮内膜とか、単語知らないので当たり前ですね。
最近はポータルサイトなどで、メールでやり取りをしてくれますが、電話も併用されます。
メールならば、Google翻訳にコピペしてぶっこめば、おおよそが理解できますが、電話はきついです。
このように、看護師とのやり取りもあることを考えると、私のように英語が苦手な方は、医療通訳が使える病院をお勧めします。

そのクリニックは通いやすい?

これは日本で不妊治療をするときと同じですが、通いやすい場所にクリニックがあるかも重要です。
体外受精で採卵のために卵巣刺激をしている最中は悪くて毎日、良くて2日に1回通院が必要になります。

飛行機で通わなくてはいけないところや、車で3時間もかかるようなところだと、治療を続けるのが難しいこともあるでしょう。
どうしても選択肢がない場合は致し方ありませんが、選択肢がある方は、できれば近場のクリニックを選択されることをお勧めします。

ちなみにクリニックの診療時間ですが、アメリカは慢性的な医者不足だと聞きます。
日本よりももっと医療機関の予約時間に融通が利かないと思っておいたほうが良いでしょう。
従って朝早かったり、夜遅かったりしても通える場所にあるかということは確認しておくことをお勧めします。

新規患者を受け入れてくれる?

ネットなどで行きたい病院が決まっても、注意しなければいけないのは、その病院が新規患者の受け入れをしているとは限らないことです。

アメリカは慢性的な医者不足らしく、今いる患者をさばくだけで予約がいっぱいという病院もあります。
そのため、行きたい病院に必ずしも行けるとは限らないのが現状です。
また、行きたい病院が新規患者の受付をしていても、初回のアポイントまでに3週間かかることはいたって普通です。

不妊治療は卵子の老化と戦うため、時間が重要な治療だといえます。
行きたい病院があったら、早めにコンタクトを取ってみることをお勧めします。

ちなみに、私の場合は、病院にコンタクトをしてから、やはり初診は3週間後でした。
同じ病院に通っている方に聞いたところ、これはだいぶすんなり予約が決まったほうだそうです。

そして、そこから不妊の原因を明らかにしていく検査をしていくことになりますが、様々な検査を、様々な病院で行うことになります。

一番時間がかかったのはマンモグラム。
これは不妊治療で通う病院とは別の施設で受けましたが、予約を取るのに2か月かかりました。
その施設は予約を取るのが大変と言われている施設だったのもあるかもしれませんが、こんなことが私の場合は日常茶飯事でした。

しかし、先生から指示された検査が終わっていないと体外受精には進めません。
こうして時間だけはどんどん過ぎて行ってしまうので、とにかく体外受精を悩んでいる方でも、ファーストコンタクトだけでも先にしてしまうことをお勧めします。

成功率も確認しておきましょう

アメリカで不妊治療をするにあたって、日本と違ってありがたいなと思ったことの一つに、不妊クリニックが成功率を公開していることがあります。
日本では、たまーに成功率を公開している病院もありますが、非常にまれです。

一方でアメリカでは、成功率を公開している病院のほうが多いようです。
複数医師がいる病院だと先生ごとに、成功率が公開されているようでした。
このように結果にコミットしているからこそ、なんとかして成功させようとする気概がアメリカでは伝わってきました。

日本の私の通っていた病院は、かもしれませんが、
 体外受精は運しだいだよねー
 遺伝子の問題もあるしねー
 年齢が高いと成功率も低くなっちゃうよねー
といった感じで、医師がどうしても成功させようという気概がなかなか伝わってきませんでした。

一方でアメリカの体外受精では、
体外受精前に検査は全部して、不妊の原因になるものは全部治して
受精方法も顕微授精を選択して
ホルモン補充でしっかりホルモンを管理して
遺伝子検査もしっかりやって
とにかく体外受精を成功させようという気概が伝わってきました。

これは、医者の人格とかの問題ではなくて、先生の成功率を下げるような治療をしないということのようです。
結果的にそれが、患者にとっても良いことにつながっていて、いわゆるWIN‐WINの関係だなーと思ったものでした。

また、アメリカでは成功する確率も最初にはっきり言ってくれた点は良かったです。
日本では、問題が起きるからなのか?ぼやかしていて、はっきり成功率を聞いた覚えはありません。
こういった点ではアメリカの不妊治療は優れているかなと思います。

しかし、アメリカの医療費はバカ高いので手放しに誉められませんが…

医療機関がin-networkかout-of-networkか

最後に、医療機関がin-network かout-of-networkかも重要な点です。

アメリカでPPOの医療保険に入っていると、in-networkでもout-of-networkでも不妊治療が保険の適用になっていれば、保険を使って治療を受けることができます。
ならどちらでもいいかなと思いますが、選択肢があるならばin-networkの病院を選ぶのを強くお勧めします。

なぜなら、in-networkかout-of-networkかで、医療費が全然違うからです。
例えば、私が実際にビタミンDの値を調べる血液検査をしたときに受け取った請求書をご紹介します。

out-of-networkだと医療費は100ドルでした。
なんのディスカウントもありません。
なので、この費用に対して医療保険ごとに決まっているco-insuranceの一定の率の医療費を支払う必要があります。

しかしin-networkになると医療費は、そこからディスカウトが行われます。
医療機関の100ドルの請求に対して、保険会社のディスカウントが行われた後の医療費は16.78ドル。
つまり、83.22ドルは医療機関の力技でディスカウントしてくれて払わなくてよくなったのです。

co-insuranceがかかる場合でも、この16.78ドルに対して一定の率の医療費を支払うことになりますので、out-of-networkの場合と比べてみると金額が大きく違うことが分かります。
アメリカの医療費は日本と比べて高額です。
保険を最大限に使える病院を選んだほうが良いでしょう。

またout-of-networkでは支払い方法が面倒という点も無視できない点です。
不妊治療は、高額な治療です。
何万ドルというお金がかかることも多いでしょう。

in networkの医療機関だと、保険会社がかかった費用から支払いを行った後自分が払う分だけの請求が来ますので、手元にはそれほど大きなお金は必要ありません。

しかし、out-of-networkの場合は全額病院に支払って、その後に、保険会社から償還を請求するという手続きをふまなければいけません。
つまり全額払いになるので、手元に大きなお金が必要ということになります。

私の場合は、治療に入る前に見積もりが届いた時点で、必要な費用はざっと4万ドル(約440万円)でした。
この中で病院から保険に請求できるものは、保険に請求してもらうので、支払い額はもう少し小さく済みます。

しかし、out-of-networkの病院で病院から保険に請求できない場合や、治療そのものが保険適用外の場合は、必要額を準備する必要があります。
日本に生活の拠点がある人は、ドルの貯蓄をあまり持っていない人も多いでしょう。
そうなると都度、日本から送金する必要があります。
トランスファーワイズなどもあり、送金は楽になりましたが、それでも手数料がかかったり、為替の影響を受けたりなど、面倒であることには間違いありません。

こうした点も考慮すると、やはりin networkの医療機関の選択肢があるならば、こちらを選んだほうが楽でしょう。



まとめ

以上がイチアラフォー夫婦がアメリカで不妊治療をする際に、クリニック選びで重視したことでした。

アメリカで不妊治療をする際のクリニック選びをするときに確認しておきたいこと6つをまとめると

  1. 日本人医師にこだわるか?
  2. 看護師とのやり取りの言語は何か?
  3. 通いやすい場所にあるか?
  4. 新規患者の受付をしているか?
  5. 成功率をチェック!
  6. 医療保険のin-networkの医療機関か?

の6つになります。
それぞれの方が入っている保険やお住まいの州などによって状況も変わってくると思います。
一つの参考情報としてお受け取りください。



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