【不妊治療体験ブログ】不妊治療のタイミング法って何?(徹底解説)
不妊治療を開始すると多くの方が最初に経験するのはタイミング法でしょう。
ルナルナなどの携帯アプリで知らされるタイミングと何が違うの?
どんな治療があるの?
これから治療を始める方は分からないことが多いものです。
十分な説明がないままタイミング法の不妊治療に入っていくと、突然の投薬や注射に驚くことも。
これから不妊治療を始める方の参考になればと、アラフォー夫婦が経験したタイミング法の内容を紹介します。
目次
タイミング法って何?
タイミング法って何?
排卵するタイミングを見計らって性交渉をすることで、
妊娠しやすくする治療のことを言うよ。
通院しないでタイミングってとれるの?
生理日から予測したり、基礎体温から予測したり、
排卵検査薬から予測したりすることもできるみたい。
子作りを始めて多くの方が最初にすることは排卵日付近の日を見計らって、タイミングを取ることでしょう。
これを医師の指導のもとで行うことをタイミング法といいますが、医者に通わずともタイミングを取る方法はいくつかあります。
生理周期から排卵日を予測
一番簡単なのは、生理日から排卵日を予測することです。
一般的に生理開始日の14日前が排卵日だと言われています。
生理の記録を数周期つけていると、生理周期がおおよそ何日かが分かってくるので、これに基づいて、排卵日を予測してタイミングを取るというわけです。
この機能はiPhoneにもついていて、通知をオンにしていると、妊娠可能期間を通知してくれます。
基礎体温から排卵日を予測
もう一歩進んで自己流でタイミングを取る方法は、基礎体温から排卵日を予測することでしょう。
女性の基礎体温は、一般的に低温期と高温期の二層に分かれています。
ざっくりと生理開始から排卵前までが低温期、排卵後から生理開始前までが高温期です。
つまり、高温期に変わると排卵したことが分かるので、これに基づいてタイミングをるります。
排卵検査薬で排卵日を予測
そして、さらにもう一歩進んで自己流でタイミングを取る方法は、市販されている排卵検査薬を使って排卵日を予測することです。
排卵日前から排卵後1日くらいにhLH(黄体形成ホルモン)というホルモンが、尿に排泄されます。
これを排卵検査薬で尿検査により確認して、排卵日を予測してタイミングを取ります。
つまり、妊娠するためには、いかに排卵日を予測して、そこでタイミングを取る(性交渉)するかということが大事になるのです。
どうして排卵日を特定する必要があるの?
妊娠するためには、どうして排卵日を特定する必要があるの?
排卵日付近で性交渉をしないと妊娠できないからだよ。
妊娠するためにタイミングを取る期間って短いの?
卵子が排卵されてから生きていられるのは24時間だから、とても短い期間だよ。
タイミングを取る上で、排卵日を予測することが非常に重要になるわけですが、なぜ排卵日はそれほど重要なのでしょうか。
それは、女性の体は生理周期1回(おおよそひと月)につき1回しか排卵しないからです。
しかも、卵子は卵巣から飛び出てきて24時間くらいしか生きられないそうです。
つまり排卵してから24時間以内に、精子と巡り会わなければ妊娠しませんので、その期間を逃さずタイミングを取る(性交渉)をすることが必要になるのです。
一方、精子は、膣の先の子宮や卵管を通りぬけて卵管膨大部というところで、卵子が卵巣から飛び出して排卵するのを待っている必要があるそうです。
つまり、タイミングを取るのは排卵日ではありません。
排卵日の約1日前になるということです。
排卵してしまったら、「時既に遅し」という状態になるのです。
これが、タイミングを取るのが難しい理由になります。
幸いなことに、精子は卵子よりは寿命が長く、女性の体の中に射精された後、72時間くらい生きていられるそうです。
つまり理論的には排卵日あたりに二日おきに、タイミングを取れれば、排卵日を逃さないというわけですね。
タイミング法でどうして通院する必要があるの?
どうしてタイミング法で通院する必要があるの?
自分でタイミングを見計らうのは難しいから
医師による指導をしてもらうためだよ。
自己流で、タイミングを取る方法には、
1.生理日からの予測
2.基礎体温からの予測
3.排卵検査薬からの予測
がありましたが、いずれも欠点があります。
まず、生理日からの予測ですが、生理周期は乱れることもあります。
そのため、排卵日を予測しにくいことがあるそうです。
次に、基礎体温からの予測ですが、基礎体温が上がるのは排卵後になります。
妊娠するためには、排卵日の前にタイミングを取る必要があります。
基礎体温が上がってからタイミングをとっては遅いということになりますので、基礎体温で排卵日を予測するのも難しいのです。
しかし、基礎体温は排卵が起こったかを確認するには有効ですので、基礎体温を付けること自体は無意味ではないと教わりました。
最後に、排卵検査薬からの予測ですが、これは有効な手段ですが判定が非常に難しく排卵日を特定しにくいそうです。
排卵検査薬での排卵日検査は病院でも行われますが、くっきりと陽性と出る訳ではなく、色の濃さや経過を見て判断します。
実際に私が使った検査薬の写真はこちらです。
先生曰く、色の濃さなども人によって違うらしく、経過を相対的に見て排卵日を判断するのだとか。
従って、なかなか自分で排卵日を予測するのは難しそうでした。
このように、排卵日を予測するのは、なかなか難しいので、経膣エコーなども使って、より正確に排卵日を予測していくのが、通院して行うタイミング法になります。
通院して行うタイミング法は何をするの?
病院でタイミング法をするとどんな治療をするの?
私たちが病院でしたタイミング法では、
経膣エコーで卵胞の大きさを確認して排卵日を予測していたよ。
通院して行うタイミング法では、まずは経膣エコーで卵胞の大きさを確認するところから始まりました。
経膣エコーとは、こんな感じの道具です。
これにコンドームが付いていて、これを膣に入れてぐりぐりと右側、左側と卵巣をチェックされました。
後に体外受精をして採卵を経験すると、経膣エコーくらいなんでもなくなるのですが、最初は違和感があります。
先生も、一日に何十人もこれをやるからなのか、ぐいっと右に、ぐいっと左にと雑とも思える感じで検査をするので、いててててと思った記憶があります。
経膣エコーで見ているのは、卵胞の大きさです。
卵胞は卵子が中に入っている袋で、排卵前になると20ミリくらいの大きさになるんだそう。
つまり、目に見える大きさになるので、この大きさを先生が経膣エコーで見ながら
「まだ排卵しそうにないねー」
「もう少しで排卵しそうだねー」
と予想していくわけです。
タイミング法で排卵誘発剤を使う理由は〇〇?
病院でタイミング法では薬を使ったりすることはあるの?
私たちが病院でしたタイミング法では、
排卵誘発剤が処方されたよ。
経膣エコーの他に、不妊治療のタイミング法では、排卵誘発剤が処方されました。
私たちの時は、クロミッドという排卵誘発剤を、1日一錠、生理3日目から5日間飲むことを指示されました。
私は、定期的に生理が来ていて、排卵もあったので、
「なんで薬を飲まなきゃいけないの?」
「排卵誘発剤とか使うと双子とか三つ子とか生まれちゃうんじゃないの?」
「結局は、排卵日直前に性交渉を持てればいいだけでしょ?」
と必要性すら疑い始めていました。
しかし、通院していたクリニックの先生曰く、どうやら卵巣から卵子が飛び出しているときに(排卵)、取りこぼしがあるそう。
つまり、せっかく卵巣から卵子が排卵されたのに、子宮につながる卵管に送り込まれないという事態が起きているというわけです。
ひと月に1個しか卵子が排卵されないのに、そこで卵管に送りこまれなければ、妊娠できないわけです。
そこで、数打ちゃ当たる作戦で、排卵誘発剤でいくつか複数個卵子を排卵させているのだと聞きました。
たくさん卵子を排卵させるといくつかに取りこぼしがあっても、卵管に卵子が送り込まれる可能性が高くなるということだそうです。
特に、不妊の症状で通院している人には、この傾向があるとのことで、排卵誘発剤を使ったからといってすぐに多胎妊娠につながるわけではないんだと教えてもらいました。
こういう話は、排卵誘発剤を出す前に教えてほしいものなのですが、きっと医療現場は忙しいのでしょう。
クリニックでやっていたセミナーで質問をして、やっと教えてもらえました。
タイミング法で注射を使う理由は〇〇!
薬のほかに何か治療はあったの?
卵胞を育てる注射を打ったよ。
タイミング法で通院しはじめると、まずは排卵誘発剤が処方されることに驚きましたが、注射にはもっと戸惑いました。
なぜなら、注射と言うと、ものすごい具合の悪い人や、ワクチンなんかでしか打たないと思っていたからです。
しかし、不妊治療で注射はものすごく一般的なものでした。
私は7か月間の不妊治療で採血も含めれば30本近く注射を打ったと思います。
タイミング法で私が打った注射はHMG注射というものでした。
これは、卵子が入っている袋である卵胞を育てる役割があるのだそう。
経膣エコーで卵胞の大きさを見て、まだ排卵しそうになければ、先生は、このHMG注射を打っていました。
このHMG注射は、後に行う体外受精の時は、毎日注射する必要があります。
しかし、私がしたタイミング法の時は、通院したときに必要があればという感じで、1周期に1本くらいでした。
筋肉注射なので、私の通っていたクリニックでは
「おしりか腕かどちらに打ちます?」
と聞かれます。
看護師さんの前で、ぺろんとお尻を出すのに抵抗があったので
(いや、これは普通に腕でしょ・・・)
と腕に打ってもらっていました。
しかし、体外受精で連日HMG注射を打つようになると、自分でおしりに打ち始めるので、次第に抵抗もなくなり、体外受精の時は迷わず
「おしりで」
と指定していました。
個人的には、お尻のほうが痛くなかった気がします。
このHMG注射、使う時にまったく説明はないのですが、ヒトの尿由来で作ら得ているのだそうです。
閉経した女性の尿を集めて、そこから作るのだとか。
こういうのに抵抗ある人もいるのではないかなーとは思うのですが、不妊治療では、この辺に関しては、特に何も説明もなく、触れられることもありませんでした。
タイミング法でする検査は2種類!
タイミング法では検査をすることはあるの?
尿検査の排卵検査薬と経膣エコーで頸管粘液検査があったよ。
タイミング法で通院していた時は、基本的に経膣エコーで卵胞の大きさを見て、先生が排卵を予測していましたが、合わせて尿検査もしていました。
仕組みは、市販されている排卵検査薬と同じです。
クリニックに行くと、検尿用のカップが渡されるので、それに尿を取ります。
そこから先の検査はクリニック側でやってくれていましたが、判断プレートに尿を落として、診断プレートの濃さでhLHというホルモンのサージを見ていました。
そして、経膣エコーと合わせて頸管粘液検査もありました。
これは、受けている側からすると卵胞の大きさを見る経膣エコーと同時期に行われるので、別な検査が行われている感覚はないのですが、診療明細を見ると分けられていました。
頸管粘液はいわゆる「おりもの」で排卵日近くになると量が増えるのだそうです。
なので、経膣エコーの時に、先生が合わせて頸管粘液の量を見ているようで
「おりものの量もまだ少ないから、排卵日はまだそうだねー」
なんていう会話がされていました。
タイミング法の通院にかかる費用は〇千円!
タイミング法の通院でいくらくらいかかったの?
1生理周期あたり5千円から7千円くらいだったよ。
タイミング法の診療は、健康保険が適用されて3割負担になりました。
そのため、1生理周期あたりの治療費は5千円から7千円くらいで、それほど治療費が高額であったと感じることはありませんでした。
例えば、ある日の土曜日に私がタイミング法で診察をして
・経膣エコー(超音波検査)
・頸管粘液検査
・尿検査
・HMG注射
という一連の治療をした時の請求額は2,620円でした。
他に生理3日目から5日間、飲むように指示されたクロミッドのお値段は、こちらも健康保険が適用になって530円でした。
タイミング法ってどうなの?(体験してみての感想)
この後に私たちは体外受精へ進んでいくので、それに比べてみると、タイミング法は軽い治療でした。
しかし、それまで不妊治療などしたことがなかったので、排卵誘発剤やHMG注射に戸惑い、拒絶感があったことも否めません。
特に、タイミング法を選んでいるときには、
「なるべく自然に近い方法で」
と思っているので、拒絶感は大きくなる一方でした。
しかも、これだけ薬や注射をする割に、分かるのは最も妊娠しやすい日ということだけで
(通院する意味あるのかなー)
と思うようになっていってしまったことを覚えています。
他にも体の排卵日に合わせて通院日が決まるので、
(なんでこんなに何度も病院に行かなきゃいけないの?)
とじわじわとストレスが溜まりました。
それまで健康だと思っていたのに、いきなり不健康にされたような気分で、なかなか理解しにくい時期でした。
そして、さんざん期待して生理が来てがっかり…
を繰り返すうちに、最初は検査だけでもと思っていたのに、子供をなんとかして授かりたいと思うようになってしまっていました。
通っていたクリニックの先生曰く
「問題がない方であれば、6か月くらいタイミングとっていれば妊娠する」
とのことで、
「裏返して言えば、何か問題があるのだから妊娠しないのだ」
とのことでした。
私たちは、事前に行っていた卵管造影検査で卵管に閉塞があることが分かっていたので、
(もう体外受精しかないのか・・・)
という気持ちにもさせられ、体外受精へ舵を切り始めるのでした。
タイミング法のまとめ
以上が、イチアラフォー夫婦が行ったタイミング法でした。
通院して行うタイミング法はまとめてみると以下の治療があります。
- 経膣エコー:卵胞の大きさを測る
- 薬:排卵誘発剤
- 注射:HMG注射
- 検査:排卵日予測の尿検査と、頸管粘液検査
そして、費用と時間は
- 費用:1生理周期あたり5千円から7千円
- 時間:1生理周期あたり2~3回通院
という結果でした。
タイミング法は不妊治療で一番初めに通る道ですが、分からないことが多いものです。
この記事がこれから不妊治療を始める方の参考になれば幸いです。